自同的四位基台とは、性相と形状が授受作用を行ったのち、その結果として合性体または統一体を成す四位基台を意味します。
そのような四位基台が実は内外に同時に形成されるのです。
例えば人間の場合、誰でも考えながら生活していますが、考えるということは内的に内的性相と内的形状が授受作用すること、すなわち内的四位基台の形成を意味します。
そして生活するとは、外的に他人と授受作用すること、すなわち外的四位基台を形成を意味します。
ここでの「考え」とは漠然とした非生産的な考えであって、その考えの結果はただ心の一つの状態であるだけです。
すなわち内的性相と内的形状の合性体であるだけなのです。
被造物の内的自同的四位基台において、その中心は心情または創造目的であり、主体と対象の授受作用は円満に調和的になされ、その結果は合性体(統一体)になります。
すべての被造物は例外なく他者と授受作用をしていますが、そのとき必ず被造物の内部において授受作用が行われ、四位基台が形成されています。
そのような被造物の内的自同的四位基台の原型が、本性相内の内的自同的四位基台なのです。
外的自同的四位基台は、本性相と本形状の外的四位基台が自己同一性(不変性)を帯びるようになったものをいい、神様が万物を創造する直前の属性の状態、すなわち性相と形状が中和を成した状態を意味します。
私たちは家庭的にも社会的にも他人と関係を結んで助け合い、頼り合いながら生きています。
そのときの四位基台がまさに外的自同的四位基台なのです。
その時、内的自同的四位基台が伴うようになります。
その良い例が夫婦生活です。
夫と妻がそれぞれ内的生活すなわち内的自同的四位基台を形成しながら、その土台の上で互いに協助し和合して夫婦一体(合性体)を成しているのであって、それが外的自同的四位基台の形成なのです。
そのように外的自同的四位基台は内的自同的四位基台と不可分の関係をもっており、内的自同的四位基台の土台の上に外的自同的四位基台が成立するのです。
次は、万物相互間の実例として太陽と地球の例を挙げます。
太陽(主体)と地球(対象)は万有原力(万有引力などの目に見えない力)を授け受けながら授受作用を行っています。
被造世界において、授受作用は原則的に、対象が主体を中心として回る円環運動として現れます。
それは、原相内の性相と形状の授受作用の円和性を象徴的に表現しているのです。
言い換えれば、被造世界において一定の円環運動が起これば、そこには必ず主体と対象間の授受作用がなされているのです。
太陽と地球の関係において、地球は太陽を中心に回りながら(公転)、地球自体も回っています(自転)。
これは地球と太陽系の自己同一性を維持するためなのです。
すなわち地球は自転を通じて自体の存立(自己同一性)を維持し、公転を通じて太陽と共に太陽系全体の存立(自己同一性)を維持しています。
地球のこのような自転と公転は、内的に地球の内部で自己同一性の維持のための授受作用が行われ、外的に太陽との間に自己同一性の維持のための授受作用が行われていることを示しているのです。
一方で太陽は、太陽として自転し自己同一性を維持しながら、同時に地球に対しては主体として地球の中心となって地球を主管しているのです。
すなわち地球に万有原力(万有引力などの目に見えない力)と光を与え、地球の公転を助けながら、地球上の生物を生かしているのです。
それだけでなく、銀河系の中心に対しては対象となって銀河系の周辺を公転しています。
そのように太陽と地球の例を見るとき、そこに内的自同的四位基台と外的自同的四位基台が同時に造成されていることを知ることができます。
それは両者が不可分の関係にあるからなのです。
このような内的自同性の維持と外的自同性の維持を現す円環運動、すなわち自転と公転は、本然の人間生活においても同じなのです。
ただし人間生活は精神と精神の関係を中心とした生活であるために、円環運動は物理的な運動ではなくて、原相の場合と同じように愛を中心とした円満性、調和性、円滑性を帯びた授受作用を意味します。
したがって内的な自己同一性(内的自同的四位基台)の維持は、愛を中心として他人と和解しながら、よりよく他人に奉仕しようとする心の姿勢として現れます。
外的な自己同一性(外的自同的四位基台)の維持は、対象においては、主体を中心とする公転運動として現れます。
すなわち、主体に対する感謝に満ちた従順さとして現れます。
主体においては、対象に対する主管は真理の力と愛の光として現れます。
すなわち、対象をよく教えながら継続して愛を施す姿勢として現れます。
以上は、本然の世界において造成される内的自同的四位基台と外的自同的四位基台に対する説明ですが、今日の堕落した社会では、その模範的な例をほとんど見出すことができないようになりました。
そして価値観の総体的な崩壊と社会的犯罪の増大を招いているのです。