これは、外的四位基台と発展的四位基台を組み合わせたものであって、外的四位基台が発展性、運動性を帯びるようになったものをいいます。
発展とは、新しい性質をもつ個体すなわち新生体が生まれることをいいます。
したがって発展的四位基台とは、創造目的を中心として主体と対象が授受作用を行い新生体を生じる時の四位基台を意味するのです。
発展とは、創造を結果の面から把握した概念であるため、発展的四位基台を理解するためには、創造や製作がいかになされるかを調べればいいのです。
そのことを人間の場合を例に取って説明します。
人間は何かを造ろうとするとき、まず心において構想します。
例えば家を建てようとすれば、一定の目的を立てて、構想し、計画書や青写真を作ります。
計画書や青写真は構想を忘れないように紙面に表しただけで、やはり構想なのです。
それが先に述べられた内的授受作用、すなわち創造の第一段階なのです。
次に、創造の第二段階が始まります。
これは構想に従って建築材料を用いて建築工事を行うことです。
そして一定の時間ののちに、目的とした建物が完成します。
このように建築材料を用いて、構想どおりに家を建てることも授受作用ですが、これは心の外で行われる授受作用であるため外的授受作用です。
考えられた構想も以前にはなかった新しいものであり、造られた建物も以前にはなかった新しいものであって、いずれも新生体です。
そのような新生体の出現は動機から見れば創造であり、結果から見れば発展なのです。
外的授受作用において、主体は構想(実際は構想をもった人間、またはその人間を代理した他の人間)であり、対象は建築資材などです。
そして主体と対象の授受作用が建築工事の遂行であり、授受作用の結果が完成された建物なのです。
画家が絵を描く場合を例に挙げます。
画家はまず一定の目的を立てて、構想します。
時にはその構想を素描として表すこともあります。
それが第一段階なのです。
構想が終われば、第二段階の作業が開始されます。
すなわち画幅、筆、絵具、画架などの画具を使いながら、画家は構想したとおりの絵を描きます。
そして絵が完成するのです。
ここにおいて第一段階の構想も授受作用であり、第二段階の絵を描くことも授受作用です。
そして第一段階の構想も、第二段階の絵も、いずれも以前にはなかった新しい結果であるので新生体なのです。
そのように、絵を描くことも創造であり発展なのです。
ここで、次のような事実が明らかになります。
第一に、創造には必ず二段階の過程があるということです。
第二に、第一段階は内的な構想の段階であり、第二段階は外的な作業の段階であるということです。
第三に、二段階の授受作用がいずれも同一の目的を中心として成され、必ずその結果として新生体を造るということです。
ここで、第一段階は内的発展的授受作用の段階であり、第二段階は外的発展的授受作用の段階です。
このような一連の原則はすべての創造活動に適用されます。
すなわち生産、製作、発明、芸術など、いかなる種類の創造活動にも例外なく適用されるのです。
それは、その基準が神様の原相にあったからです。
それが本性相の内外の授受作用、すなわち内的発展的授受作用と外的発展的授受作用です。
神様はまず一定の目的を立てられ、万物の創造を構想したあと、材料に相当する形状(前エネルギー)を用いて、構想したとおりに万物を造られました。
ここで神様が構想する段階が内的発展的授受作用の段階であり、実際に万物を造る段階が外的発展的授受作用の段階です。
言い換えれば、創造においては必ず内的発展的四位基台と外的発展的四位基台が連続的に形成されるのです。
これを「原相の創造の二段構造」といいます。
※下記図は前ページに同じ
原相内の外的発展的四位基台も四つの位置、すなわち中心、主体、対象、結果から成るのはもちろんですが、そのときの中心は内的な四位基台の場合と同様に、心情に基づいた創造目的であり、主体は本性相であり対象は本形状です。
そして授受作用によって形成される結果は新生体としての被造物です。
次にこの四つの位置、中心、主体、対象、結果の位置にそれぞれ立てられるところの、目的、本性相、本形状および被造物に関して具体的に説明します。
目的は、内的発展的授受作用の場合の目的すなわち創造目的と同じであるので、ここでは省略し、主体=本性相、対象=本形状、外的授受作用、結果=被造物の項目に分けて説明します。
ここでいう本性相は、内的発展的四位基台の結果の立場にある構想です。
内的性相と内的形状が内的授受作用を行って、新生体として現れたみ言であり、ロゴスであり、構想です。
すでに述べてきたように、内的授受作用の過程には前段階と後段階の二段階があります。
前段階は観念の操作が進行する過程であって、そこにおいて前構想が形成されます。
そしてあとの段階では霊的統覚から知情意の機能が、その属性である陽性・陰性の影響を受けながら前構想に注入されて、前構想が生命をもつ完成した構想として現れるようになるのです。
そのようにして完成した構想がまさに二性性相をもつロゴスなのです。
そのようにしてロゴスは新生体として本性相の内部に形成されたものですが、主体(本性相)と対象(本形状)の授受作用において、霊的統覚に保持されながら、主体として作用するのです。
本形状は無限応形性の究極的な質料的要素です。
質料的要素とは、被造物の有形的要素の根本原因を意味し、無限応形性とは、あたかも水の場合と同じように、いかなる形態でも取ることのできる可能性を意味するのです。
質料的要素は物質の根本原因であるのですが、科学の限界を超えた究極的原因なので、統一思想ではこれを前段階エネルギー、または簡単に前エネルギーと呼んでいます。
水が容器に注がれれば容器の形態を取るように、本形状が本性相の構想の鋳型(霊的鋳型)の中に注入されて、現実的な万物として造られるようになるのです。
外的授受作用も四位基台を土台として行われます。
そのとき分かれていた主体と対象が再び合わさって一つの新生体、すなわち万物になるというように説明しましたが、それはあくまでも理解を助けるための方便的な説明です。
神様は時間と空間を超越しておられるので、神様の世界には内外、上下、遠近、広狭がありません。
大中小もなく無限大と無限小が同じなのです。
また先後がないので過去、現在、未来がなく、永遠と瞬間が同じなのです。
授受作用が行われる四位基台の四つの位置は、分かれている四つの位置ではなく、四つの定着物を重ねている一つの位置なのです。
その一つの位置において、互いに重なったまま、目的を中心として主体と対象が授受作用を行い、その結果物として被造物が生じたと見るのです。
それでは授受作用の具体的な内容を説明します。重畳した状態での授受作用とは、本形状である前エネルギーが本性相内に形成された構想(ロゴス)の鋳型(霊的鋳型)の中にしみ込むということです。
言い換えれば、鋳型の空間は必ず融液が入って満たされるようになっているのです。
本性相と本形状の間にこのような現象が行われるとき、それがまさに授受作用なのです。
すなわち本性相の鋳型性観念内の緻密な空間に、本形状の質料的要素が浸透して満たすのが授受作用なのです。
結果としての被造物は、創造目的を中心として本性相と本形状が授受作用することによって形成された新生体です。
また、神の「実体対象」であり、神の二性性相をかたどった「個性真理体」なのです。