神相-個別相

先に述べた、性相・形状および陽性・陰性は神様の「二性性相」であって、この二種の相対的属性は、あまねく被造世界に展開されて、普遍的にすべての固体の中に現れています。

 

このように万物はみな普遍的に性相・形状および陽性・陰性をもっているので、神の性相・形状および陽性・陰性を「普遍相」といいます。

 

一方で、万物は独特な性質ももっています。

鉱物、植物、動物にいろいろな種類があるのもそのためです。

天体も、恒星であれ惑星であれ、みな特性をもっています。

 

特に人間の場合、個人ごとに独特の性質をもっているのです。

すなわち、体格、体質、容貌、性格、気質など、個人ごとに異なっているのです。

 

万物と人間のこのような個別的な特性の原因の所在は、神様の本性相の内部の内的形状にあり、このような個別的な特性の原因を「個別相」といいます。

これは神様の属性の中にある個別相が被造物の個体または種類ごとに現れたものです。

 

なお、個別相は個体の特性でありますが、普遍相と別個の特性ではなく、普遍相それ自体が個別化されたものです。

 

人間と万物の個別相の違い

人間においては個別相は個人ごとの特性をいいますが、万物(動物、植物、鉱物)の個別相は一定の種類の特性すなわち種差をいいます。

 

例えば、同種の犬が100匹いれば、一つ一つの個体の違いを見分けるのはとても困難で、もし自分の飼い犬が紛れ込んだら、飼い主でさえその外見から見分けるのは至難の業となるでしょう。

 

しかし人間であれば、100人あるいは千人の顔であっても、その中から自分の知人を見分けることができるのです。

 

それは、人間は喜びの対象および神様の子女として造られているのに対して、万物は人間の喜びの対象として造られているからなのです。