個性真理体は、その内部に主体と対象の相対的要素があって、両者が目的を中心として授受作用をして、合性一体化したものです。
ところでこの個性真理体は、さらに外的に他の個性真理体と主体と対象の関係を結んで授受作用を行います。
そのとき、この個体(個性真理体)を特に連体といいます。
また、目的という立場から見た場合、すべての個体は必ず「個体目的」と「全体目的」という二重目的をもっています。
個体目的とは、個体としての生存を維持し、発展しようとする目的をいい、全体目的とは、全体の生存と発展に寄与しようとする目的をいいます。
例として、被造世界における素粒子から宇宙に至る固体の系列を見てみます。
素粒子は素粒子としての存続を維持しながら、原子(全体)を形成するために存在しています。
原子は原子としての存在を維持しながら、分子(全体)を形成するために存在しています。
分子は分子としての存在を維持しながら、細胞(全体)を形成するために存在しています。
細胞は細胞としての存在を維持しながら、生物の組織や器官(全体)を形成するために存在しています。
原子や分子は鉱物(全体)を形成し、さらに地球(全体)を形成するために存在しています。
地球は地球自体を維持しながら、太陽系(全体)を形成するために存在しています。
また太陽系は太陽系自体を維持しながら、銀河系(全体)のために存在しています。
銀河系は銀河系自体を維持しながら、宇宙(全体)のために存在しています。
さらに宇宙は宇宙として存在しながら、人間(全体)のために存在しているのです。
人間は外形では極めて小さな存在ですが、その価値は全宇宙を総合したものより大きいのです。
宇宙が人間のために存在するのはそのためなのです。
そのように、被造物はみな全体目的と個体目的をもっています。
そして被造万物の全体目的において最高の全体目的は、人間のために存在することにあります。
地球は太陽系を形成するという目的をもっていますが、同時に人間の住み家になるという目的をもっています。
また微視世界の電子は、原子を形成するために原子核の周りを回っていますが、それは同時に人間のために、万物をつくるために回っているのです。
そのように素粒子から宇宙に至るまで、各級の被造物は、より上位の被造物を構成するために存在しながら、同時に人間のために存在しているのですが、前者を形状的な全体目的、後者を性相的な全体目的といいます。
さらに人間の全体目的は神のために生きるということです。
そのように素粒子から宇宙、人間に至るまで、すべての被造物は二重目的をもった連体として存在しているのです。
※人間は万物の主管主であり、万物は人間のために存在していますが、それは人間が自然(万物)を好き勝手に利用していいということではありません。
人間は本来、愛によって万物主管しなければならないのです。
しかし、人間は堕落することによって、自己中心的に自然を主管し、また利用して、自然環境を破壊しているのが問題なのです。
人間は愛による主管を完成し、自然と調和した世界を創造しなければならないのです。
原相に内的四位基台と外的四位基台の二段構造があるように、被造世界においても、すべての個体は二段構造を成して、授受作用を行って存在しています。
すなわち個性真理体として内的四位基台を維持しながら、同時に他の個性真理体と外的四位基台を成しており、その基台の上で、共通目的を中心として授受作用を行っています。
それが存在の二段構造です。
外的四位基台の形成において、人間は上下、前後、左右の六方向に授受作用を行います。
私を中心として見るとき、上の方には父母や上司や年長者がおり、下の方には子女や部下や年少者がいます。
前には、先生や先輩や指導者がおり、後ろには弟子や後輩や自分に従う者がいます。
右の方には兄弟や親友、同僚などがおり、左の方には自分と意見の合わない人、反対する人、性格が一致しない人がいます。
このように人間は六方向において他人と関係を結んで存在しています。
これは人間のみならず万物においても同じなのです。
このように六方向に関係を結んでいる個体もまた連体です。
特に人間がそうなのです。
人間はまた自然環境とも関係を結んでいます。
例えば非常に遠い星からも、人間は何らかの影響を受けています。
宇宙線が人間の生理作用に影響を及ぼしているのは、よく知られている事実です。
人間が鉱物、植物、動物と密接な関係をもっているのは言うまでもありません。
そういう意味においても人間は連体なのです。