神性的存在-ロゴス的存在

宇宙はロゴス(原相論参照)によって造られており、ロゴスに従いながら運行されています。

すなわロゴスによって支えられているのです。

 

そして人間もロゴスによって造られており、ロゴスに従って生きるようになっているので、人間はロゴス的存在でもあります。
 

人間がロゴス的存在であるとは、自由意志に基づいて行動する「理性的存在」でありながら、法則(規範)に従って生きる「規範的存在」なのです。


今日、人間は自由なのだから、法則(規範)に従って生きるのは一種の束縛であるといって、法則を否定する考え方が蔓延しています。

しかし、真の自由は法則を守るところにあります。

しかも自ら進んで守るところにあるのです。

法則を無視した自由は放縦であって、破滅をもたらすしかないからです。

 

人間の守るべき法則とは、宇宙に作用している法則、すなわち授受作用の法則のことです。

ところで原相においてロゴスが形成されるとき、その動機は心情でした。

したがって宇宙の法則は本来、心情を動機としたものであり、愛の実現を目的としたものなのです。
 

存在論(存在格位)で述べたように、家庭は宇宙の秩序体系の縮小体です。

したがって宇宙に縦的、横的な秩序があるように、家庭においても、縦的、横的な秩序があります。

縦的秩序と横的秩序に対応する価値観が縦的規範(縦的価値観)と横的規範(横的価値観)なのです。

 

家庭における縦的規範とは、父母と子女の間における規範であり、横的規範とは、兄弟姉妹の関係、および夫婦の関係における規範です。

また人間には個人レベルとして守るべき規範、すなわち個人的規範もあります。

それは個人としての人格を完成し維持するための規範です。

 

家庭におけるこのような規範は、社会や国家にそのまま拡大適用されます。

結局、家庭の規範は、社会や国家が守るべき規範の根本となっているのです。

 

しかし堕落によって、人間はロゴス的存在になれなかったのです。

その結果、社会も国家も混乱状態に陥ってしまったのです。

人間がロゴス的存在としての本性を回復するとき、家庭も社会も国家も本来の秩序をもった姿に帰ることができるのです。